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【むかしイギリスで経験した強烈な体臭の話。匂いが強いって大変だ】

体臭というのは、本当に個人差が激しいものですよね。

私は女性で、若い頃は自分の体臭を気にすることはあまりありませんでした。

日本で育った環境では、周りの人たちも比較的体臭が薄く、「体臭が強い」という概念自体がそれほど身近ではなかったように思います。

現在32歳になり、以前よりは頭皮の匂いや加齢による体臭の変化などが気になるようになってきました。

特に夏場や運動後には、昔よりも自分の匂いが気になることが増えました。

それでも、まだそれほど深刻な悩みにはなっていません。おそらく日本人の平均的な体臭レベルの範囲内にいるのだと思います。

 

イギリスでの衝撃的な体験

そんな私が、初めて体臭の真の強烈さを知ったのは、イギリスでのことでした。

10代の一時期、イギリスに長期滞在していろんな国から来た同世代の若者と共同で暮らしていたことがあります。

これは語学研修の一環で、ヨーロッパ各国、アジア、南米など、本当に多様な国籍の人々が集まっていました。

その共同生活は基本的にとても楽しく、異文化交流の貴重な体験でした。

料理を一緒に作ったり、お互いの国の話をしたり、週末には一緒に観光地を巡ったりと、今でも素晴らしい思い出として残っています。

しかし、その中で忘れられない出来事の一つが、とある少年の体臭に関する体験でした。

 

S君との出会い

仮にその子をS君としておきます。

S君は白人の19歳の青年で、確かドイツ出身だったと思います。

金髪で背が高く、典型的なヨーロピアンの容貌をしていました。

性格は本当に気さくで明るく、ジョークを言うのが上手で、一緒にいてとても楽しい子でした。

英語も堪能で、みんなの会話の中心になることが多く、グループのムードメーカー的な存在でした。

S君はサッカーが大好きで、よく庭で即席のサッカーゲームを企画してくれました。

音楽にも詳しく、夜にはギターを弾いて歌を歌ってくれることもありました。

本当に魅力的な青年だったのですが、一つだけ大きな問題がありました。

それが体臭の強さでした。

 

体臭の強烈さ

S君の体臭は、私にはかなり強烈でした。

これは決して清潔感の問題ではありません。

S君は毎日きちんとシャワーを浴びていましたし、服装も清潔でした。

これは明らかに体質的なものでした。

最初は何となく「少し匂うかな?」程度の認識でしたが、だんだんとその強さに慣れることができませんでした。

特に室内の狭い空間や、S君が汗をかいた後などは、正直「うっ」となることもしばしばでした。

もちろん、本人には絶対に気取られないよう細心の注意を払っていました。

S君はとても良い人でしたし、体臭について指摘するのは失礼だと思っていました。で

も内心では、どうしても気になってしまうのが正直なところでした。

 

文化的な匂いへの感覚の違い

興味深いことに、そんな悩みを共有できるのはアジア人だけでした。

私と同じく滞在していた日本人、韓国人、中国人の友人たちは、みんな同じようにS君の体臭を気にしていました。

夜、アジア人だけで集まった時に、小声で「S君の匂い、気になるよね」という話になることがありました。

一方で、周りのヨーロッパ出身者の友人たちは、特に気にした風もありませんでした。

フランス人、イタリア人、スペイン人の友人たちは、S君と普通に接していて、体臭について言及することは一度もありませんでした。

私たちアジア人の間では、「ヨーロッパ人は匂いに鈍感なのかな?」という話になっていました。

これは体臭だけでなく、香水や食べ物の匂いに関しても同様でした。

ヨーロッパ出身者は香水をかなり強めにつける傾向があり、チーズなどの発酵食品の匂いも平気で、アジア出身者とは匂いに関する感覚が明らかに違うようでした。

 

遺伝的・文化的背景

後から調べて知ったのですが、これには遺伝的な背景がありました。

東アジア人は遺伝的に体臭が薄い人が多く、白人は体臭が強い人が多いのだそうです。

これは汗腺の種類や活動度、皮脂の分泌量などが関係しているようです。

また、文化的な環境も影響していると思います。

白人の多い社会では、子供の頃から体臭の強い人の中で育つので、ある程度の体臭は自然なものとして受け入れられ、あまり気にならなくなるのでしょう。

一方、東アジアの社会では体臭の薄い人が多いため、強い体臭に対する感受性が高いのかもしれません。

 

部屋掃除での衝撃体験

S君に関する最も印象的な体験は、彼の部屋を掃除した時のことです。

S君の滞在期間が終わり、彼が帰国することになりました。

お別れの時は本当に寂しくて、連絡先を交換し、お互いの国を訪問する約束をしました。

S君が去った後、彼の部屋が空き部屋になったので、次の滞在者のために掃除をすることになりました。

私が掃除担当になり、部屋に入った瞬間のことは今でも鮮明に覚えています。

ドアを開けて一歩足を踏み入れた瞬間、部屋の中にこもった匂いに驚いて、反射的に慌てて外に逃げ出してしまいました。

その匂いは、本当に強烈でした。

まるで部屋の中の空気だけが色づいているように感じられるほど(もちろん錯覚ですが)の強さでした。

S君が数週間生活していた部屋の中で、匂いが完全に籠もってしまっていたのです。

 

匂いとの格闘

多分、部屋の中のカーテン、ベッドシーツ、カーペットなどのファブリック類に匂いが染み付いていたのだと思います。

S君自身の体臭が、長期間にわたって部屋の中のあらゆる素材に蓄積されていたのでしょう。

最初は少し怯みましたが、掃除をしないわけにはいきません。

大きく深呼吸をしてから息を止めて、再び部屋の中に入りました。まずは窓を全開にして、換気を始めました。

しかし、匂いはなかなか散りません。

本当に頑固でした。30分ほど換気をしても、匂いは薄くなったような気がしませんでした。

窓を開けても外の新鮮な空気が入ってくるのに、部屋の中の匂いの方が勝っているような状態でした。

結局、私は独特の作戦を取ることにしました。

廊下で大きく深呼吸をして、息を止めて部屋に入り、できるだけ早く掃除を進める。

息が続かなくなったら部屋の外に出て、また深呼吸をして戻る。これを何度も繰り返しました。

 

掃除完了までの道のり

この「息止め作戦」で、少しずつ掃除を進めていきました。

ベッドシーツを剥がし、カーテンを取り外し、カーペットを掃除機で清掃しました。

途中、同じくアジア系の友人が手伝いに来てくれましたが、彼女も同じように息を止めながらの作業でした。

特に大変だったのは、S君が使っていた枕でした。

枕カバーを外した時の匂いは、本当に強烈で、思わず「うわっ」と声に出してしまいました。

全ての作業が完了するまでに、通常の掃除の倍以上の時間がかかりました。

最後に消臭スプレーを大量に使い、さらに一晩中窓を開けて換気をして、ようやく次の人が使える状態になりました。

 

体臭について考えさせられたこと

この経験を通して、体臭というのは想像以上に強烈なものなのだと実感しました。

同時に、それは個人の責任だけでは解決できない、遺伝的・体質的な要素が大きいのだということも理解しました。

S君は本当に良い青年でしたし、清潔にも気を遣っていました。

でも体臭は体質的なものなので、どうしようもない部分があったのだと思います。

また、文化的な背景も大きく影響していることを学びました。

今でもS君とは時々連絡を取り合っていますが、体臭のことを話題にしたことは一度もありません。

それは彼の人間性とは全く関係のないことだからです。

でも、この体験は私にとって「匂い」というものの持つ力を知る、貴重な機会になりました。

人間の感覚や文化の違いについて、深く考えさせられる出来事でした。

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